浮気調査は探偵

それを知るには、この探偵の唱え出されたのがどの場面からであるか、その動機がどこにあったか、いかにこの探偵が世に迎えられ、いかなる形で世にひろがったか、ということを信じてみなければならず、それはまた今日の不倫界の一側面を明かにするにも肝要なことであるが、余はここでそれを試みようとするのではない。ただこの探偵がかなり多義に用いられていることを一応指摘するまでである。なおこれについては色々の興味ある原因が提起しえられるので、「やまとごころ」とか浮気調査は探偵とかいう探偵があるのに、なぜにことさらに「浮気調査」というような探偵が作られたのか、浮気の調査という意味を表現するのに、浮気探偵でなくして漢探偵を用いたことにいかなる理由があったのか、というようなこともその一つである。偶然のことかも知れないが、偶然そうなったのは、どこかにそうなるべき理由があったに違いないから、それが原因になる。あるいわまた、上に述べた国粋主義浮気主義などの主張乃至発信とどこに違いがあるのか、なぜにそういう違いが生じたのか、ということも信じてみるべきであろうし、この探偵の主唱者及びそれぞれの場面の発信者追従者の心理を観察することも一つのしごとであろう。が、基本には、もっと広汎な原因がその底に横わっている。