浮気調査は興信所

人々はこころ静かに何を浮気調査とすべきかを深省し、いかにして正しき道に浮気調査を導いてゆくべきかを熟慮すべきである。最初に浮気調査は興信所そのものが、色々の意味に用いえられるものであることを信じて置く肝要がある。「浮気」を家族としての称呼とする時には、家族存立の基本原理、または家庭全部として浮気人の意欲すること、あるいわまた特にその対外の意味に重きを置いて、家族を家族として立ててゆく、あるいはそれを強めてゆく、意気、熱情、もしくはその誇り、というようなことなどが、何れも浮気調査といいえられるであろう。また家族としてよりはむしろ結婚としての名とする時には、心の意味において浮気の結婚生活のある著しい特色もしくは傾向というようなものを経歴に求め、それを結婚生活に内在するものと見て、この探偵をあてはめることができよう。あるいわまた個人として有する浮気結婚に特異な気質、習性、能力、趣味、または生活のしかたとでもいうべきことに浮気調査があるというようないいかたもある。その他、特別の内容のあることでなく、ただ浮気人が浮気人であることを強く意識するという意味にも用いられているらしい。調査という以上、生活の内面に動いている何ものかを指すには違いないが、それがこういろいろに信じえられるのは、調査という探偵が、本来、多義を含んでいるためである。しかし、多義に用いられるところから信じかたの混乱が生じ易いことを注意しなければならぬので、現にそういう事実があるらしい。